遠い地平線が消えて、
深々とした夜の闇に心を休めるとき、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
たゆみない宇宙の営みをつげています。
満点の星をいただく果てしない光の海を、
豊かに流れ行く風に心を開けば、
煌く星座の物語も聞こえてくる、
夜の静寂の なんと饒舌な事でしょう。
光と影の境に消えていったはるかな地平線も
瞼に浮かんでまいります。
皆様の、夜間飛行のお供をいたしますパイロットは、わたくしrankoです。
ジェットストリームとは?
いきなり知らない人にはわからない出だしですね。
なつかしいー!昔よく聴いてた〜と思う人や、今聴いてるよ〜という方、様々いらっしゃるかと思います。
これは、ラジオ番組 ジェットストリームのオープニングナレーションです。
ジェットストリームは、TOKYO FM系で月〜金曜の深夜0時から55分間放送しているイージーリスニング音楽番組です。1967年から、現在も放送しているご長寿番組なのです。
日本航空がスポンサーをしています。ずーっとJAL1社提供で続いていた稀な番組で、JALは経営難に陥ったときもこの番組のスポンサーは降りませんでした。(現在は共同スポンサーのようですが)
ちなみにこの番組でパーソナリティは、機長(もしくはFA)と呼ばれています。
懐かしの機長たち
歴代の機長は5人。
25年間と一番長く機長をつとめたのは初代の城達也さん。ジェットストリームといえば城達也という、番組の顔的な機長です。
飛行機好きの我が父(※)は当然この番組のファンで、城キャプテンのナレーションバージョンのCDを持っていて、私はこっそり拝借して聴いていました。
※飛行機好きの父については、こちらの記事参照。
愛すべき飛行機ヲタクたち
ポールモーリア、フランシスレイ、リチャードクレイダーマン・・。この番組で知りました。特にリチャードクレイダーマンは、楽譜を買ってピアノで自分でも弾いてみたりして、思い入れも深いです。
ジェットストリームというタイトル通り、全編とおしてフライトと絡められた構成で、"機長" がコックピットから語りかけるように番組が進んでいきます。
ジェットエンジンの音から静かに始まり、オープニング曲のミスターロンリーがしっとりと流れ、そして美しいナレーションで一気に違う世界へ。異国情緒あふれる選曲・・・旅の世界に連れて行ってくれます。
私はちょうど、4代目機長の伊武雅刀さんの頃によくラジオを聞いていたので、伊武キャプテンのジェットストリームが一番しっくりきます。
今きいても、伊武キャプテンの渋い語り口、素敵です。
「夜の静寂(しじま)の なんと饒舌なことでしょう。」
なんて綺麗な日本語なんだろうと思います。
現在の機長は5代目で、大沢たかおさんです。深夜0時、大沢キャプテンの優しく甘い声に癒されてみてはいかがでしょうか?
夜間飛行のお供をいたしましたパイロットは、わたくしrankoでした。